
アメリカには多くの種類のペットレスキュー組織があります。大型のものとしてはHumane Society (HS) やSociety for the Prevention of Cruelty to Animals (SPCA)が有名ですが.、非営利団体である動物保護機関の一般的な名称です。全米各地に存在していますが、それぞれが独立した期間で、組織的なつながりはありません。またミッションステートメントや経営方針も異なっていて、No Killの組織もあれば、そうでない組織もあります。
その他に地方政府が運営するシェルター、パウンド(野犬収容所)などがあります。アメリカの地域でも、レスキューに対する考えや対応は大幅に異なり、南部などはかなりひどい状況です。避妊や去勢の観念が他の地方に比べて低く、また予防注射やフィラリア予防の意識もなども低い状態です。なので、南部のシェルターはいつも満員、収容されると数日で殺処理されるという悲しい状況です。そんな中でレスキューを行っている人たちは本当に大変だと思うのです。
こういった南部の州でも、シェルターやパウンドから犬や猫を引き取っている小さいレスキューグループがたくさんあります。そして、信じられない話かもしれないのですが、犬や猫が足りない北東部や中西部のシェルター、HS, SPCAなどにも定期的に犬や猫が送られるのです。健康状態が良くても、予防注射やフィラリア予防処置が行われていない動物がほとんどです。ですので、引き取った組織は予防注射をし、フィラリアになっていれば、治療をして、避妊・去勢をしてからアダプションに出します。ですので、アダプション費は決して安くはありません。でも仔犬だったら歳をとったペットよりも高くしたり、シニアや病気があったりした場合、安くなったり、その後の獣医費用をアシストするようなこともあります。小さなレスキューがそれをするのは非常に財政的に無理なのですが、獣医施設を持ったおおきなレスキューなどはそれも可能です。
大きなレスキューは獣医施設を持っていたり、大きな企業から協賛を得ていたり、予防注射や避妊・去勢イベントのための助成金(grant) が発表されれば、申込書を書いて申し込みます。そして安価でサービスを提供するのです。そういったグラントの申込書を作成する専門職もあります。それでは小さなレスキューはどうするのでしょうか。
ブリードレスキュー(ある一つの犬種のみをレスキューする)
うちの犬たちはちゃんとしたブリーダーから購入しています。それで、ブリードに恩返しするために、東海岸のブリードクラブのレスキュー部門で今で言うリモート・ボランティアをしていました。ブリードレスキューを嫌う人もいます。でも難しいブリードの場合、ブリードを知っている人たちの犬の観察、フォスター、トレーニングは非常に有効なのです。そしてアダプションに興味があり連絡してきた人が、本当にブリードをわかっているのかなども観察することができます。捨てられる犬が増える理由には、こういったミスマッチや、情報不足で買ってしまった飼い主の問題があります。またそういうことを調べずに売ってしまったペットショップなどの問題があります。
ブリードクラブとブリーダーの関係に関しては別のブログでお話ししようと思っていますが、ブリードクラブに属するブリーダーはペットショップなどに犬を売ってはいけないことになっています。
犬を引き取ったクラブは、寄付や過去のアダプション料金などから獣医費用を出すわけですが、獣医さんもきちんとしたレスキューならディスカウントをしてくれます。大型レスキューの獣医施設なども、認められたレスキューにはディスカウントをしてくれます。
ブリードレスキューから犬をアダプトしてくれた方は、大抵大きな寄付をしてくれました。アダプション料金やレスキューへの寄付は他のものへ使用することができません。ブリードクラブ自体はメンバーシップくらいしかお金が入ってきません。つまり、クラブ運用費にはレスキューから得た金額はいっさい使用できないのです。そこで、私たちのブリードレスキューはブリードクラブから独立することになりました。
(写真はブリードレスキューでフォスターしたチャーリーです。とても良い犬でした。引き取られた時には泣きましたー私が)
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