
11月に獣医関係の友人と食事をしました。重ねて書きますが、私は獣医ではありません。COVIDで国際関係の仕事が全てストップした後、しばらく獣医さんで働かせていただきました。患者・オーナー側から初めて獣医さん側になったわけです。アジリティを行う犬を育てていたので、仲間からいろいろなことを聞いてきました。獣医さんにとっては賛成できないこともあったでしょう。でも私の考えは私の考えで、獣医院の考えではないので、極力自分の考えは伝えませんでした。
さて、ディナーにやってきた友人の獣医さんが言いました、「季節が始まったよ。」私たちはその意味がすぐにわかりました。感謝祭の11月ごろから、安楽死にやってくるオーナーが多いのです。でも、オーナーの都合で安楽死に合意する獣医さんはほぼ皆無で、また初めての患者さんの安楽死に承知する獣医さんも皆無なので(もちろん0ではないでしょう)、安楽死にやってくるのは以前に安楽死について話したことがあるオーナーさんや緊急の場合のみだと思います。
それではなぜこんなに安楽死が増えるのでしょうか。旅行や家族が来るなどのオーナー中心の理由よりも、まず感謝祭やクリスマスに合わせて休みが取りやすく、ペットとの最後に日々を過ごしやすい。子どもの学校がお休みになるので、一緒にお別れが言えるというのもあるかもしれません。安楽死は文化や宗教に強く関わってくるので、子供に安楽死の場を見せるのはと思う方もいるかもしれません。でも、私は非常に大切なことだと思います。獣医さんに家族みんなでやってくる人、もう安楽死しかないと理解して家族にすぐくるように連絡する人、みんな泣きながら帰っていきます。私も安楽死させた犬は3匹います。1匹はその犬の獣医さんだった友人に、2匹は家での安楽死専門医、頼んで家でやりました。信じられないくらい悲しかった1匹は緊急病院です。COVIDで病院には入れない状態だったのですが、頼んでもう1匹の犬と見送りました。犬にとっても死を確認することは非常に大切なのです。
犬にとって死は生の一部です。もちろん犬にきいた訳ではありません。うちの犬たちを見た限り、そして友人たちとも話したのですが、一緒に暮らしている犬が突然いなくなるというのが、残った犬にとって非常に辛いようです。どうしたのかわからないというのが一番辛いようです。ですので、私たち、犬好きはなるべく家庭に複数の犬がいる場合、立ち会わせるか、または亡くなった後にあわせることを心がけています。
獣医さんの1番の仕事は動物の怪我や病を治すことですが、すべての病気や怪我を治すことはできません。また歳をとるということも止めることはできません。ですので、余計な苦しみや痛みを与えずに、また年齢や病気のために Quality of Life (人生の質)が保てなくなった時に安楽死を選ぶ飼い主さんのために、ペットを安楽死するのも獣医さんの仕事です。ペットの死は慣れているのではと思うかもしれませんが、決して簡単なことではないそうです。ペットを楽にしてあげるというのはわかっていても、飼い主の悲しみを見るのは非常に辛く、1日に2件は非常に辛いそうです。でも、そんなペットは幸せです。そしてオーナーも幸せです。
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